藝術学関連学会連合

日本学術会議 協力学術研究団体

第18回 公開シンポジウム

生成AI時代の芸術

Art in the Age of Generative AI

AI画像生成榎本崇人
▼入力words (2024.3.1-7)

サイドプロファイル顔
エミール・ノルデ風絵画
ベクター画像
スチームパンク
美術史的表現

2024年6月1日(土) 13:00〜17:00

東洋大学赤羽台キャンパス
WELLB-HUB2 / HELSPO HUB-3
HELSPOホール

入場無料/事前申し込み不要


【趣旨説明】

生成AI時代の芸術を考える

近藤存志|意匠学会・藝術学関連学会委員|東洋大学

生成AI(Generative AI)の登場は、現在、わたしたちの日常に急激な変化をおよぼしています。
芸術学関連諸分野も例外ではないでしょう。生成AIを活用した教育システムの開発が導入され日々進歩している今日、その影響は音楽、映像、演劇、デザインなど芸術創造の現場、クリエイティヴ産業における経済活動、そして芸術教育と芸術学研究にも現れています。
膨大な情報・データを学ぶことで規則性や関係性を導き出し、新しいルールを形成、そこに新たな情報を付与することで新しいコンテンツを生成する。——生成AIが新しいコンテンツを生み出すプロセスは、わたしたちが日常行っている判断や発想と似ている面もあるかもしれません。
こうした新しい技術の登場に、「芸術」はどう向き合うのか。あるいはこうした新しい技術が生み出され進歩を続ける時代に、どのような「芸術」が生み出され、どのような「芸術活動」が展開されているのか。——藝術学関連学会連合第18回公開シンポジウムでは、新しい技術が、進歩・変化を続ける時代における「芸術」、そして「芸術」の創造者にして享受者たるわたしたち「人間」に焦点を当てたいと思います。
「利用・活用」「共存」「否定・禁止」といった新技術に対するわたしたちの態度・姿勢の問題から、芸術創造の現場で今起こっていること、そして生成AI時代に美的判断を下す知能と美的判断の人為性の意味について問い直す試みまで、生成AI時代の「芸術」についてさまざまな視角から考えたいと思います。


* * *

今から80年前、建築史家ニコラウス・ペヴスナーは、次のようなことばを記しています。

建築は材料や目的による生産物ではなく──また社会的条件によるのではなく──まさに変化する時代の、変化する精神の生みだすものである。社会的生活、宗教、学問、芸術にみなぎっているのは、時代精神である。(1)
 

ある時代の精神──Zeitgeist──は、その時代を生きる人びとのさまざまな知的探究、多種多様な芸術創造、そして多彩な社会的活動にあまねく浸透し、著しい影響を残す、とペヴスナーは主張しました。
美学、美術史から、デザイン、演劇、舞踊、映像、音楽まで──芸術学関連諸領域を幅広く網羅する藝術学関連学会連合は、多彩な芸術文化領域に広く深く浸透して驚くほど豊かな着想と新しい表現手段、さらには学問的争点を提供する「時代の精神」「時代の特性」について考える最適な機会であると思います。


* * *

人間の芸術創造の歴史は、社会を急激に変化させる発見や新しい判断基準の萌芽に幾度も直面しながら、変遷を遂げてきました。現代社会に意識的に、また無意識的に起こっている変化もまた、人間の芸術創造に影響を与えているに違いありません。
「素晴らしいことに、今日あなた方が巨匠と呼ぶ全ての人びとのうちでひとりとして自分の生きた時代を率直に、そして偽りなく描くことをしなかった者はいない。」(2) ──ジョン・ラスキンが語ったこのことばは、人間の芸術創造行為が、現在進行形の社会に生まれる新しい変化と常に密接にかかわり続けてきたことを言い表しています。
ラスキンが語った〈芸術〉と〈現代〉の〈分かち難い関係性〉に触発されて、このシンポジウムでは、生成AIに代表される新技術が急速な発展を遂げ、日々変化を続ける「わたしたちの時代」の「芸術」、そして「時代」と「芸術」の関係について考えたいと思います。


(1) ニコラウス・ペヴスナー『新版ヨーロッパ建築序説』(小林文次他訳、彰国社、1989年)15頁。

(2) ラスキンが1853年11月にエディンバラにおいてラファエル前派の画家たちについて行った講演の中で語られたことば。John Ruskin, ‘Lecture IV: Pre-Raphaelitism, delivered November 18, 1853’ in Lectures on Architecture and Painting Delivered at Edinburgh in November, 1853, The Complete Works on John Ruskin, vol. 10, New York and Chicago: National Library Association, p. 116.


プログラム


各発表概要

東洋大学赤羽台キャンパス
住所 〒115-8650 東京都北区赤羽台1-7-11
最寄り駅 赤羽駅
(JR京浜東北線/埼京線/高崎線/宇都宮線/湘南新宿ライン/上野東京ライン)
西口より徒歩8分

赤羽岩淵駅
(東京メトロ南北線/埼玉高速鉄道線)
2番出口より徒歩12分
アクセス https://www.toyo.ac.jp/assets/about/20230401_campus_map_akabanedai_jp.jpg

HELSPO門からは、屋外エスカレーターで直接、HELSPO-HUB3棟3階へお進みください。

  • ※雨天の際は、屋外エスカレーター左手の東洋大学附属赤羽台図書館エントランスに位置するエレベーターで、3階へお進みください。
  • ※車いすをご利用の場合は、屋外エスカレーター左手の東洋大学附属赤羽台図書館エントランスに位置するエレベーターで、3階へお進みください。

WELLB門からは、WELLB-HUB2棟に入り、エスカレーターまたはエレベーターで3階へ、屋内ブリッジを渡ってHELSPOホールへお進みください。

藝術学関連学会連合事務局

大阪大学大学院文学研究科美学研究室

横道仁志 esthe{at}let.osaka-u.ac.jp